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さよなら歌舞伎座
2010 / 05 / 03 ( Mon )


名残を惜しんできました。

通行の妨げになってしまうほど大勢の人たち、
多分皆同じ思いでここへ足を運んだと思う。

それぞれの思い出を胸にする年代ばかりかと思いきや、
Gジャンに長い黒髪の少女が1人。
歌舞伎座の姿を目に焼き付けるようにいろんな角度から見上げては、
こらえきれずにうつむいて、涙がはらり。

キレイな涙、
今どきこんな少女がいるのかとうれしくなった。

色々聞いてみると、
子供の頃、最初母親に連れられて来て観劇のマナーを習い、
以降は1人で来ていたということ。
ここは「ハレの場」だからと身なりを整え、何も惜しむなと教えられてきたという。
チケット料金にパンフレット、イヤホンガイドに食事代、
結構な額を1人分捻出し、母親は近くまで送り迎えだけ。
「玄関前で?」とナニゲに聞くと、
余韻を反芻する時が必要だという理由で、
教育ママよろしく玄関前で待ち構えるような野暮なことはしないという。
う~ん、できる! 立派!
そしてその子はパンフレットを片手に
母親に舞台の様子を語って聞かせるのが常なのだそうだ。
とつとつと少ない言葉の中に、
興奮冷めやらぬまま頬を輝かせて語る子を見る
親の目線の温かさまで感じられてきて、
今度はウ!・・・と私のほうが涙がポロリ (//▽//)

小さく畳んだお札を広げて歌舞伎座の写真集をもとめ、
対応した松竹の社章をつけた人間にリニューアル後について尋ねていました。
心配そうな可憐な少女の表情に、
高層ビルはおよそ100m下がって建てられる事や
地下鉄と直結する事などを丁寧に説明していましたが、
少女の質問にはちょっと驚きました。

舞台の様々な装置は手作業でなくなるのかどうかについて。
全て電動になって、スーパー歌舞伎のような大がかりな事も
できるようになるという胸張った返答に、意外にも悄然とする少女。

大掛かりな事は他のどこでも出来る、
快適な劇場はどこにでもある、
でも逆に愛すべき不自由さであったし、
歌舞伎座には他では絶対に出来ない手作業の味や素晴らしさがあったのだと
涙、涙、ナミダ!
舌を巻くこの感性!

彼女がこだわっていたのは、外観のみならず人と一体になった舞台そのもの、
華ある役者さんだけでなく地味な作業の裏方さん、
やっぱりこの人でなくっちゃ、と思うような神業的な仕事をしても、
表だった評価を得るわけでも・・また求めるわけでもない、
そういう沢山の様々な人々の汗や涙やため息や・・・、
そこここに染みついたそうした祈りにも似たいろんな思いが
長い時間をかけて作り上げていった
一期一会の舞台、ハレの異空間。
その空気までをも惜しむということなのだろう。


およそ数字が似つかわしくない・・・と言うより、
最も遠いところに位置している、
そんな場所が1箇所くらいあったって良かったんじゃないか、そう思う。
こういう厳しい時代だからこそ、
また世界にも稀有な文化を担っているからこそ、
他の業種には出来ない自負心をもって
懐の深いところを見せて欲しかったと残念でならない。

少女が愛おしそうに見上げて指差した屋根瓦の隙間に、
鳥が運んだか風が運んだか緑が芽吹いていました。

・・・そんなところまで愛する人がいるということ。


自分の思い出を投影して惜しむ別れもあり、
また少女のように、歌舞伎座そのものを惜しむ別れもあり・・・、

けれど、こんな親や子がいる限り、まだまだ日本は捨てたもんじゃないな!



        歌舞伎座、閉場式



3年後、
2013年春、期待を裏切らない姿で帰ってきてくれることを願って!




11 : 31 : 01 | 未分類 | トラックバック(0) | コメント(6) | page top↑
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コメント
--素敵な親子--

おはようございます。
お久しぶりです。

歌舞伎座閉幕の日にいらしたのですね。
感受性豊かな少女とお母さんのお話を読んで、ドキッとしてしまいました。
そういう子育てもあるのですね。
素敵な親子ですね!
私はまさに玄関前で待ち構えている生活をしています。
歌舞伎座の前でなく送迎のため塾の前でですが。
えらい違い!やんなっちゃうな。
by: SOL * 2010/05/04 10:08 * URL [ 編集] | page top↑
--そして歴史は繰り返される。--

どうも、こんにちは。お久しぶりです。

大都会にそんな素晴らしい少女が。
まだまだ日本も捨てたものではありませんね。
若者が事件を起こす度に「最近の若者は」というフレーズをよく耳にします。

しかし、平安時代の文献に。ワールドワイドな所ではポンペイの遺跡やバイキングの残した壁画の落書きに。全く同じフレーズが刻まれていたとのこと。(笑)

若者言葉を日本語が乱れていると捉えるか日本語が生きていると捉えるかと同様に、もう少し長期的な視点で考えてみる必要があるのかも知れません。
by: ウォルシンガム * 2010/05/04 12:04 * URL [ 編集] | page top↑
--SOLさん ♪--

SOLさん、こんばんは。
お元気でした?

んな~!
塾は「余韻を反芻する時」は必要ないでしょう?
危険はどこにひそんでいるかわかりませんからね。
目が離せない世の中ですから。
知人の話では、塾の講師に子供が迫られた・・・なんてコトもありましたし。
やはり守れるのは親だけですよ。
それにSOLさん海外生活が長いから自然にそうなるんじゃないですか?
送迎しなかったら「虐待」ってトコもあるくらいですもんね。(笑)

それにしてもそれはお疲れ様です。
待つ時間って長いでしょうね、
いっぱいいっぱいになりそうになったら発散してくださいね!
by: vesper * 2010/05/04 22:36 * URL [ 編集] | page top↑
----

歌舞伎座、今年1月に行きましたが、なくなるの寂しいですねー。チケットは取れなくても、私も最後の姿を見にいけばよかったなぁ。あの人をギョッとさせる建物がなくなるなんて・・・。100mも引っ込むってどこまで行くんでしょか(汗)。

vesperさんが会ったお嬢さん、素敵な感性の持ち主ですね。それを育まれた彼女のお母様に惚れそうですわー。
私も、映画や美術館や旅など、だんぜん一人派です。誰かといっしょに経験するのも楽しいけど、やはり世界や余韻に浸れませんからね。。
お母さん、わかってるな~~。
by: panko * 2010/05/04 22:41 * URL [ 編集] | page top↑
--ウォルシンガムさん ♪--

こんばんは、ウォルさん。

おお!久しぶりのウォルさんワールド!
そのカタブツぶりが好き!(笑)

若者言葉ですか・・・、
ウォルさんのお話で思い出しちゃった。

・・・桃尻誤訳「枕草子」 橋本治著  ・・・確か河出文庫
↑コレ・・・もうお読みですか?(古いケド)

清少納言の枕草子、現代語訳すると・・・
「春って曙よね!」「~たまんないよね!」
「ダッサイの!」

格調高いと言われるけど、今で言うギャル語を忠実に現代語訳したという・・・!(笑)
by: vesper * 2010/05/04 22:58 * URL [ 編集] | page top↑
--pankoさん♪--

こんばんは、pankoさん。

通りに面した今の歌舞伎座の玄関は
一見あまり変わらないような姿であの場所に残るのだそうです。
その後ろに建つ高層ビルが100mくらい下がるのだそうです。
どうなるんでしょうね
屋根の向こうに青い空を見ることができなくなっちゃうんですね~。
さみしー。

その少女のお母さん、確かに・・・!
その子と一緒に帰りたかったりして、「ただいまー」とか(笑)

フムフム、pankoさん、1人派ですか、
1人旅かー、車窓から夕方の景色を見るのが好きだなあ。
暮れてきて家の明かりがポツポツと灯る頃・・・、キクんだ、コレが!

by: vesper * 2010/05/04 23:28 * URL [ 編集] | page top↑
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